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水墨画の遠近法をマスターしよう!手順やコツを紹介!




水墨画の遠近法の技術を今回は、紹介します!

まずは水墨画の仕組み自体をまず理解しなくてはなりません。

水墨画というのは、紙面上の微細な凹凸の面に、墨の顔料が入り込むことによって、成り立っています。
媒体となるのは、墨のにかわ系の溶剤になるので、染み込んだ膠が接着の要領を果たして、顔料が神繊維質の上に乗っかっている状況が、水墨画の顔料の乗り方になります。つまり、墨の粒子が層をなして、紙面に施されているのです。

これは、その層つづなりをいかになしていくかという、濃淡以外における、紙面の立体観測になります。その為に、紙面上に立体を及ぼし、その紙面からの微細な光の反射によって、人の眼には、それが立体であるかのように映ることになり、その結果として、モチーフとバックの間に遠近感が催されるのです。

これは、伝統的な西洋の空気遠近法とも似ていますが、墨の顔料状の層なりの状態を位置づけるものですので、日本古来のものとされます。

本来は水墨画であれば、中国初のものでありますし、日本で言えば、日本画顔料を伴い、日本の屏風などに表現されてきた手法のひとつになります。

遠近法の出し方

遠近法を出すためには、その奥行きをぼかすことでの、背面ぼかし法というものがあります。

人工的なカメラにもその広角レンズに仕組みが似ています。もしくは、遠近法という概念では、パースを取るような、疑似的暗示パース技術に依る、遠近法も存在しています。その際は、手前にあるモチーフの画と、バックの背景の色の濃淡の違い、そして線描の力量により、遠近を出しつつ、モチーフの力点を強調するやり方です。手順としては、モチーフとバックのどちらを先に描くかで変わってきますし、もし、全体としてのグレーゾーンを淡く仕上げる場合には、バックに対する施しを最小限にして、モチーフの前面への突出を予期して、筆でのデッサンの力量を加えていきます。つまり、ブラシストロークという概念とは少し違う、背面の白い書道よりも、さらに困難な力量を要求されるのです。

背面ではなくモチーフを先に描く場合は、その輪郭線の段階で、モチーフのフォルムの想定内概念の検討を付けておきます。

そして、その輪郭線の境界間際に、墨の濃淡の前後感覚を付けていきます。もしくは、背景から描くときには、背景の墨色が渇く時点での、モチーフへの素描を進めていき、その輪郭線の段階で、空気遠近法の、接物境界雰囲気を描いていきます。光線に依る学問が必要とされます。

 

コツ

コツとしては、背景をぼかすだけのぼかし遠近法という意味では、背景の特色だった、墨色遣いは不可能になります。

これは、背面と言えども何かを現す水墨画になりますので、その背面の状況を、考えて描かなくてはなりません。

たとえば、山の風景に霧がさしているばあいは、その霧の状況を墨の濃淡で表現していきます。その際に、奥行き感が出るように、モチーフとの墨の濃淡には差を付けたりし、墨質の違いによって、空間の違いを出さなくてはなりません。

濃淡遠近法

濃淡遠近法というのは、もしそれを習得するのであれば、日本画の色彩顔料の方が簡単だとおもえるでしょう。

つまり、濃淡の遠近法には筆圧による間違いはゆるされず、層をなしていく墨の力点に対し、バックとの明度の違いで、奥行きを奥へ行くように表現しなくてはならないのです。つまり、イメージングの段階で脳の中にそのスペース・イメージができていなくてはなりません。その際に、墨の濃淡に依るモチーフとバックの違いは、イメージング・パースペクティヴを利用する事でも可能です。

これは、普段から遠景の景色をよく観察していなくては出るものではありません。

濃淡で表す技法として、西洋絵画にもありますが、空気遠近法というものがあり、これは、霧状の空気の微細な雰囲気を描くものです。遠方冷淡色による、技法は水墨画ではほぼ通用しませんので、その空気を描くという力量が画家には必要になります。つまり、墨の濃淡での表現に空気そのものを描くのです。

輪郭線型遠近法

輪郭線に依る遠近法とは、空間とモチーフを分ける時の、分岐線の在り方によって、画のフォルム・メイキングを培う方法になります。つまり、輪郭線という段階を筆の線描で行うか、それとも筆の腹の部分で行うかという技術的な問題も含まれます。輪郭線を強調しすぎると、モチーフに自然な形のものが崩れますので、イラストレーターの人には、描けない画力量となります。

つまり、モチーフの境界をなす、境界面をどのように、画の中に仕上げるかという問題をクリアしなければならず、紙面の平面の図面の上に、そのモチーフと空間の違いを、モチーフが前面に突出する形で描かなくてはならないのです。

そして、その力点は、ブラシストロークという趣ではなく、空気感を演出する、スペース理論になります。そのために、書道家ではこの表現は不可能とされます。つまり、輪郭線の科学的な解明が必要になり、それは光源との関わりでもあるのです。

まとめ

遠近法を水墨画で実践するには、建築パースのような鉛筆の下書きは不必要なこととされます。つまり、画におけるパース実験は、かつてのイタリアで組織的に行われた技術であり過去の産物になります。

もし、日本画を描くのであれば、背景の色面に刷毛で淡く描くという、なかばのグレージング技法によっても可能にはなりますが、水墨画の場合は、その墨の強度に従って、濃淡技術が積載されますので、色彩がよりも難しいと言えます。つまり、一回の手法により、画を仕上げていくには、書道に書き直し、訂正が不可能であるのと同じように、積載する墨の顔料に関しても、初めから終わりまで、間違いが許されないのです。

そのために、遠近法という概念を、まず、単純なぼかし理論。そして、輪郭線理論として、もしくは濃淡境界線理論として、紙面に定着させなくてはなりません。
パースに対する概念は、デッサンを繰り返すことにより、人もマスターすることは可能になります。ただし、眼がいいことは常識になるので、その奥行きという概念において両眼の視力は絶対必要になります。

いかかでしたか??

この記事をみて、遠近法が描けるようになりましたか?

何度も挑戦してやってみましょう!




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