墨と水と筆で描ける水墨画。
墨、硯、筆、紙で書くことが出来るのが水墨画です。この4つの用具が主に必要なものです。高価な用具を買いそろえなくても、まずは、習字の道具類があれば始められるのもいいです。
まず初めに、筆に慣れることから初めます。まっすぐな線を書いてみる。そのあと、ジグザグに描いてみます。次に、カーブを描く。そして、円を描く。
一つ一つは、簡単なものですが、筆を使って書いて見ると意外に難しく感じるかもしれません。
色を使わない水墨画ですと、墨の濃淡が大事です。墨の濃さや、筆に含ませる水の量で調節します。この事を調墨といいます。
筆の運び方として、直筆と、側筆があります。
直筆とは、紙に筆の軸を直角にたててか、線を書く方に軸を倒す書きかたです。
側筆とは、紙に筆の軸を寝かせて書く方法です。穂の腹の部分で書くことです。
筆の運び方、運筆で線を書くことが出来ます。この二つは使い分けて表現してみましょう。
そして、差し色を入れることでやさしい雰囲気の絵を楽しむことが出来ます。人の心をほっこりさせるやわらかい書き方の水墨画は心を和ませます。
絵を描くことで、自分自身心も落ち着き、精神的にも和むことができるようです。
描き方
紙の中でモデルつまり、柿の場所と文字を描くところを決めたら柿のヘタ部分から書いていくようにします。本画仙紙は考えもしないようなにじみ方をすることがあるので、筆の先だけが触れるように書いていきます。
モデルの柿の形をよく見て全体を書いていきます。絵の書き方の基本となることは素材となる柿をよく観て書くことです。しっかりと、モデルとなる柿を見ることできちんとした絵がかけるようになります。
まずは、柿のヘタの部分を緑色で塗っていきます。筆に水分が多く含まれていると塗った部分が大きくにじんでどんどん広がってしまうのが本画仙紙の特徴なので注意が必要です。
にじみでも、大丈夫な塗り方をするように心がけましょう。
内側部分から、順番に塗るようにし、どのようににじみが広がるかを見ながら塗るようにすることが重要になります。
最後に、文字をいれたり、印を入れたら出来上がりです。
本画仙紙の特性を考えて、文字部分は力を入れて書くことです。いろいろなものを本画仙紙で書いて練習することで、だんだんとなれてコツをつかむことが出来るようになります。
没骨法は東洋画、多くは花鳥画に使われています。輪郭線なしに直接、水墨や彩色で描く書き方です。または、線描きを彩色で塗る技法です。
没骨法は、ぼっこつほうと読めますが、水墨画ではもっこつほうと読むそうです。ぼつはまだ新しい読まれかたで、平安時代以降に正音と読まれたそうです。線描法にたいして、没骨法になります。
線描法が骨描き法、線で縁取りと言われますが、それとは別に、没骨法は線なしと思われがちですが、線が内側に隠れていて見えないだけだそうです。没骨法の根本には線があるということ考えながら書くようにしましょう。線を書いていても、埋めるようにすれば没骨法になります。
没骨法に関わらず、三墨法の調墨は大事です。
絵を書くときは、三墨法を頭に入れながらかくようにすると、大きなミスはあまりおこらないようになると思います。一色だけに、ならないよう注意することが大事です。濃、中、淡となる書き方が三墨法です。線描きで練習を重ねてから、筆の動かし方を覚えるようにすることが重要です。輪郭を考えて、線なしで書いてみるようにする。
コツ
乾いた筆に墨をつけるとムラになることがあるので、いちど筆部分を水にひたす。
そのあと、指などを使って絞る。
線でかくことを頭に入れながらかくようにすると、いいそうです。
すぐに面を使わないように、注意する。
手順
柿の書き方
- ヘタ部分からかくようにする。
- 実の部分をかく。
- 葉っぱを最後に、かくようにする
柿の色の塗る順番
- 食べる実の色、黄土色、熟した感じの色は、赤色、朱色を塗るようにする。
- 少し青柿にする場合、黄緑を上から重ねるように塗る。
難しいところ
柿の書き方で、一番葉っぱを書くことが難しいと思います。
葉っぱは固くしっかりしています。そして、少しぎざぎざしているというような形になっています。その感じを筆一本で表さないといけないので、難しいところです。
葉っぱの書き方は、線で形を書いたり波打たせて書く方法もあります。様々な葉っぱの書き方や、表現のしかたがあります。
まとめ
モデルの柿をよく観察。
果物などを書くときは、ヘタの部分から書き始めるといいそうです。花や果物などは、中心からかくようにすると書きやすくなります。
色を重ねたり、混ぜるのは3色くらいまでにする。重ねて塗るときは、薄い色から順番に。そのつぎに、上に濃い色を重ねて塗っていくのが大事です。
字を入れる場合は大きくて、活字のような読みやすい文字を書くほうがいいです。
水墨画は、たくさんの表現のしかたがあります。線描や墨の滲みぐあい、濃淡を使う独特の技法などがあります。いろんな技法を使って書いて見ましょう。
水墨画の筆の使い方、にじみをどのように使うかなど、墨法を勉強してみる。
それらを基本にいろんなモチーフや、その時々の季節にあったものをモデルに描いていってみてください。