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水墨画は、濃淡で対象物を描くので、かなりの技術がなければ描けないと思っている人も多いと思います。

確かに、色を無限に使える方が、様々な表現が出来るので、とても描きやすいかもしれません。ですが、水墨画はほんの少しのコツを掴む事が出来れば、誰でも上達する画風です。

今年の干支は猪。

雄々しく立派な猪を描くのも、愛らしい表情の猪を描くのも、コツは同じなのです。

描き方

水墨画は下描きを基本的にしない画風です。ですが、いきなり墨をつけて描くのはかなりの高等技術です。

まず大切なのは、描きたい対象物を良く観察する事です。動き回る猪だと良く観察しようとしても難しいと思いますので、写真や画面に写る姿、または剥製などを見本とすると良いでしょう。

まずは練習用に、鉛筆で簡単に猪の輪郭を描いてみましょう。この時に注目すべきポイントは猪の形です。

豚と猪の違いはどこでしょう?豚は丸みを帯びているのに対して、猪は肩や背中の筋肉が鍛えられ、どちらかというと、丸みを帯びているというより、四角張っている印象があります。

サッとまずは輪郭を描き、そして、耳や尻尾、鼻先など、猪の特徴を掴みます。いきなり筆で描き始めるのではなく、下描きをして、猪の姿を腕に覚えさせましょう。

猪を描くコツ

猪は、他の動物と比べると表情が分かりづらい動物です。

その分、顔立ちはハッキリと描かないと、何の動物なのか分からなくなってしまいます。

猪を描くコツは、鼻の周囲をあまり塗りすぎず、鼻先や目、耳、尻尾を濃くハッキリと描く事がコツです。

水墨画は濃淡の世界です。ハッキリと見せたい所は濃く描き、そして周囲は薄く描きましょう。

出来れば、背景などを薄く描き入れると、より猪が目立ちます。水墨画では、奥行きを表現出来た方が、よりリアルに対象物を描く事が出来ます。その為には、対比となる背景を描く事で、より猪を立体的に見せる効果があります。

そして、猪は何よりも毛並みの表現が大切です。猪の毛質は硬く、その流れに沿って描くのが最大のコツです。

手順

1.道具の準備

では、いよいよ水墨画で猪を描いてみましょう。

まずは、道具の準備を確認してみましょう。水墨画を始めるからと言って、専用の絵筆を用意する事はありません。

水彩画を描く時に使う大・中・小の筆と、習字の時に使う。この墨は、固形でも液体でも、どちらでも構いません。

そして、墨と水を入れるそれぞれの小皿を用意しておきましょう。

そして、半紙にいきなり描くのは、かなり難しいので、初めて水墨画を描くという時には、やめたおいた方が良いです。水墨画は何層も塗り重ねる画風です。半紙に何層も何層も塗り重ねれば、すぐに破けてしまう可能性もあります。用紙は画用紙でも大丈夫です。

2.下準備

画用紙にいきなり墨で描くのは、少し待ちましょう。まずは下準備が大切です。

何もつけていない、まっさらな絵筆を用意してください。そして、水を少しつけて画用紙全体に塗り広げてください。先に水で下塗りしておく事で、墨で描く時にムラになりづらく、滑らかな線が描けるようになります。

この時に気を付けたいのは、水のつけすぎです。水をつけすぎると、墨をつけた時に、墨が流れてしまいます。

水は薄くつけ、もしもつけすぎたと思ったら、ティッシュで軽く拭き取りましょう。

3.基本は薄く

そして、猪を描きます。まず最初に、白く残す部分を意識しておきましょう。

濃淡で対象物を描く水墨画では、白く残す部分が必要です。

最初に白く残す部分を意識して、その周囲に墨を置く時には、かなり意識する必要があるのです。その周囲に色を乗せる時には、細心の注意を払いましょう。そして、猪の姿を想像しながら、描き始めます。この時に、どこから描き始めるか悩むと思います。

まずは猪の鼻先から始めると描きやすくなります。そして、薄いグレーで描きます。背中や尻尾、足先へと進みます。そして、毛並みも薄いグレーで描きます。この時の毛先は、軽いタッチで、鼻先から尻尾へ向けて、流れるように描くのがコツです。

そして、薄いグレーで描いたら、少しづつ濃いグレーで濃く見せたい部分を描いていきます。そして、一番最後に、漆黒の部分を描きます。

難しいところ

やはり猪の毛並みを表現するのが、一番難しいところです。

猪の毛並みは、短い所と長い所が入り交じる毛並みをしていて、表現するのがかなり難しいと思います。

その時には、筆先を割って描くのがおすすめです。筆先を割るというのは、筆を紙に強く押し付けて描く技法です。力強いタッチで描く事で、猪の硬く太い毛並みを描く事が出来ます。

濃淡のグラデーションを意識しながら、猪の毛並みを描きましょう。

水墨画で猪を描く事は、かなり難しいと思います。特に、猪は他の動物と比べて、身体的な特徴が少ない動物なので、描くのが難しいと感じるかもしれません。ですが、ほんの少しのコツを掴めれば、確実に描ける対象物です。




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