旅行に行った時に、素晴らしい風景を見た時、その風景を写真におさめたいと思う人は数多くいると思います。
確かに、すぐに携帯電話で撮影出来る昨今、風景を写真に撮るのは、とても手軽に出来ます。ですが、せっかくの素晴らしい風景です。やはり、もっと思い出に残る方法を選択してはいかがでしょうか?そして、思い出に残る方法として、素晴らしい風景を水墨画として残すのはいかがでしょうか?
水墨画は、墨の濃淡のみで描く無限の世界です。描く時の筆のタッチ次第では、様々な表現を行う事が出来ます。
水墨画で風景画を描くなんて難しいと思うかもしれませんが、水墨画は墨の濃淡を描き分ける技法なので、コツを掴むまでは難しいと思います。
ですが、コツを掴む事さえ出来れば、誰でも素晴らしい風景を描けるようになります。
Contents
風景画の描き方
風景画を描く時は、まずはどんな風景を描きたいか考えてみましょう。
写真などを見ながら描くのも、もちろん大丈夫です。
気に入った風景があったなら、何枚も写真に撮って、観察してから描く事もポイントです。角度によっては、山や川の表情が、変わって感じてきます。
どんな風景を描きたいか、全体のイメージを掴みましょう。そして、その全体的な風景を描きたいのか、それとも一部だけを描きたいのかを考えてみましょう。
風景画を描く時には、全体のイメージが大切です。どんな風景を描きたいのかを決めなくては、なかなか描き出す事も出来ません。
別の紙に、大体で構いませんので、デッサンをしておきましょう。
風景画のコツ
風景画を描くコツとしては、全体的に描く物の、それぞれが独立している事を意識する事です。
山には山の、森には森の描き方があります。全て同じ描き方では、奥行きも広さも表現は出来ません。
それぞれに合った表現方法を意識しましょう。
風景画を描く手順
1.紙を決める
風景画を描く時には、なんといっても紙を選ぶ所から始まります。画仙紙というのは、その滲み方でいくつか種類が分かれます。
その中でも、風景画を描くなら、生宣紙という紙を使うのが向いています。生宣紙ですと、線も描きますし、墨での滲みが表現出来ます。
2.描き始め
そして、気になるのは風景をどこから描き始めれば良いのかという事ですよね。風景画は、メインとなる場所から描き始めるのが良いとされています。
それぞれのパーツの手順をご紹介したいと思います。
山
山を描く時には、その頂上を薄い墨で、出来るだけ手の力を抜いて描きます。
所々に白を残したり、色の濃淡をつけたりして、下の部分は上よりも濃い墨で描くようにしてします。
森の描き方
そして、山の側に森があれば、細い筆で、濃く描きましょう。
水分を多く含む筆を、潤筆と言います。その潤筆で若々しい木々を描き、森の豊かさを表現しましょう。
森を描くコツは、あまり木々を密集させない事です。木々をあまりにも密集させてしまうと、その部分が真っ黒になってしまいます。適度に間隔を開けて描く事で、森の木々が生き生きと描く事が出来ます。
海や川の描きかた
風景画を描く時に、海や川を描きたいと思った時に、かなり重要な場所となります。描く時には、最初は薄めに、そして、奥に進むほど濃くしていきましょう。
水墨画を描く手順は、まずは描きたい物をメインとして、その周囲を描き込んでいくと、自分が描きたい風景画を描けるようになります。
花の描き方
そして、色鮮やかな花を描く時にも、様々な技法があります。
細い筆で輪郭を描く方法もあれば、筆先でぼかしを入れて描く方法もあります。
3.全てをバランス良く配置
そして、全てのパーツの描き方が分かったら、バランス良く配置しましょう。
大切なのは、遠近法です。遠くの山と、手前の川の大きさが同じなら、かなりバランスは悪いです。
山をメインとして描きたかったら、山を大きく、手前の川や花をメインとして描きたかったら、山は小さく描きましょう。
風景画を描く難しい所
風景画を描く時に、一番難しいのは、様々な対象物を描かなくてはならないという事です。対象物によっては、その描き方が異なる場合もあります。
同じ描き方だと、立体感を出す事が出来なかったり、全体のバランスが崩れる可能性があります。風景画は何よりもバランスが大切です。まずは風景画をバランス良く描く必要があります。
水墨画で風景画を描くのは、バランスの取り方さえつかめたら、自由自在です。そして、見たままを全て描く必要はありません。重要な場所の要点をおさえ、不要な部分は削っても構いません。
風景画の大切な所は、どれだけ美しい風景をシンプルに描けるかといった事です。
水墨画は、墨の濃淡で世界を描ける技法です。ですが、あまりにも水分が多ければ、全てが滲んでしまい、繊細なタッチで描いた森の木々や美しい花々が台無しになってしまいます。そして、筆の水分が少なければ、滑らかなタッチが損なわれてしまいます。