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水墨画の魅力というのは、どこにあると思いますか?

墨のみで描いているというのに、不思議とその絵からは、様々な表情を感じる事が出来ます。特に自然を描いた時には、表情のない自然からも、不思議と様々な表情を見る事が出来ます。

その中でも、海はこれまで、様々な表情を見せてくれました。

海というと、どんな表情を想像しますか?穏やかな海でしょうか?それとも、荒々しい海でしょうか?また、風のない静かな月夜の海でしょうか?

どれも違う海ですが、水墨画では、簡単に表現する事が出来ます。

海の描きかた

まず、海を描く時に意識しなくてはならないのが、その色の濃淡です。

水墨画は、基本的には墨一色で描く世界です。そして、自然は描く中でも、かなり難しい分野です。

人物や動物のように、体型や毛並みで表現する事が出来る対象物とは違い、海というのは、その表情を掴む事は、かなり難しい事なのです。

描く時にはまさに濃淡のみで描くのですが、水墨画において、水を描く時に注意したいのは、手前から奥へと向かって、徐々に濃くしていくのが基本です。

そして、海といえば、やはり波を描かない事には始まりません。

水墨画で波を描けるようにする為には、まずは海の泡や水面を、上手に描けるようにしましょう。白、または淡いグレーで表現する事が出来る海の泡は、手前は大きく、そして奥へ向かって小さくなっていくのです。小さな泡は、出来れば固まっている方が、分かりやすいですし、泡の波立つ様子が分かります。

そして、大切なのが水の影をどこまでリアルに描けるのかという事です。水彩絵の具だったら、様々な色を使い、海を表現する事が出来るのですが、水墨画は墨の濃淡のみで表す世界です。

そして、海を描く時には、周囲の情景にも気を付けましょう。例えば、季節を表すならは、夏なら太陽の暑さを、冬なら雪の寒さを、水墨画で表現する事が出来るのです。

コツ

海は、ほんの少しの工夫で、様々な表情を描く事が出来ます。

例えば、明るい夏の海を表現するのなら、ライトグレーの海で、水面にキラキラと輝く光を白で表現する事が大切ですし、夜の海を表現する時には、暗くなりすぎないようにしながら、奥を漆黒にする事で、海の奥深さを表現する事が出来ます。

海を描くコツは、いきなり、荒々しい波を描くという事はせず、まずは自分が慣れ親しんだ海や、ドラマや映画で気になった海を描くというのも、水墨画を早く上達する時には為には、必要な事です。

海を描く手順

そして、水墨画で海を描くには、その手順も大切です。そこで、穏やかな海を描く時を海を描く基礎としたいと思います。

1.地平線の位置を決めておく

大切なのは、空と海の境界線。つまり、地平線の事です。

この地平線が決まって、初めて海を描く事が出来るのです。

地平線と想定した場所に、薄いライトグレーで線を描きます。この時に、よりリアルに地平線を表現する為には、地平線をまっすぐではなく、少し丸みを帯びて表現しましょう。

2.陸地の位置を決める

もちろん、波だけで表現する事も可能ですが、よりリアルに海を描くに表現するとしたら、陸地も描かなくてはなりません。

陸地を決めたら、波のラインを描きます。

3.砂浜と地平線を結ぶ

後は、砂浜と地平線の間を、墨の濃淡のみで繋げる事です。

そして、その方法は、何層も、何層も色を塗り重ね、徐々に奥へと色を濃くしていくという事です。

太陽で光り輝く水面は、白で表現する事が出来ますし、空全体をライトグレーよりも更に薄くする事で、波が目立ちます。

そして、海を描くには、水墨画の技法である、にじみを取り入れるという方法があります。にじみというのは、紙の上に墨をたらし、周囲に広げるという技法ですが、海を描く時には、大いに活躍する技法です。

海を描く、難しい点

海を描く事で、一番難しいと感じるのは、その広さです。

どこからどこまでが海なのか、その壮大な大きさに戸惑い、どこを描いたら良いのか迷ってしまいます。

そんな時には、全てを描かなくても良いという事を考えてみましょう。例えば、一際大きな波が起きたら、その大きな波の一部だけを描いてもいいのです。

そして、濃淡だけで海の奥行きを表現するという、一見シンプルな水墨画ですが、シンプルな面、逆に難しいと言えます。

グラデーションのみで奥行きを表現する時に、気を付けなくてはならないのが、色が変わる位置です。ですが、薄い色と濃い色の水墨画は、濃淡でその世界を表します。境目があまりにもハッキリしていると、海とはなかなか認められません。そのグラデーションの繊細さが、海を様々な表情に見せてくれます。

水墨画で海を描くのは、初心者には難しく感じるかも知れません。ですが、大切なのは、じっと波を見つめて、波の僅かな変化も見落とさないようにしましょう。そして、穏やかな波を描けるようになったのなら、理想的な海の絵にチャレンジしてみましょう。




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